性感染症外来
性感染症外来

性感染症(STI:Sexually Transmitted Infections)とは、主に性的な接触を介して感染する病気の総称です。特定の人だけがかかる病気ではなく、性的な接触の機会がある方であれば年齢や性別を問わず、誰もが感染する可能性があります。
性感染症の特徴として、感染していても自覚症状がないケースが多く、気づかないまま他の人にうつしてしまうことが少なくありません。「もしかして感染しているかもしれない」と不安を感じながらも、恥ずかしさや抵抗感から受診をためらっている方も多いのではないでしょうか。
下記の症状がある方、パートナーから感染の可能性を伝えられた方、念のため検査を受けておきたい方など、お気軽にご相談ください。
即日検査以外の結果は、スマホやパソコンからネットで確認できます。結果を知るためだけに再度受診する必要はありません。即日検査は全て保険適用外で自費診療となります。症状のない方、または保険証のご利用を希望されない方は、自費診療にて承ります。
当院には内診台の設備がないため、女性の性器・外陰部に症状がある場合(性器クラミジア・性器淋病・尖圭コンジローマ・トリコモナスなど)の診療は行っておりません。
性感染症の主な症状と疾患
主な性感染症(疾患名)
当院は内科・外科・整形外科を併設する総合クリニックです。性感染症専門クリニックとは異なり、さまざまな目的で来院する患者さんが多いため、「性感染症の検査に来た」と周囲に気づかれにくいという特徴があります。
「専門クリニックには入りづらい」「知り合いに見られたくない」と感じる方にとって、内科や健康診断の受診と同じような感覚で来院できるのは大きなメリットです。また、性感染症の症状のなかには発熱・倦怠感・皮疹など内科的な症状と重なるものもあります。内科医が常駐しているため、幅広い視点から診察を行える点も当院の強みです。
性感染症には「潜伏期間」と「検査可能時期」という2つの重要な概念があります。
潜伏期間とは、感染してから症状が現れるまでの期間のことです。性感染症は潜伏期間中も他の人に感染させる可能性があり、症状がないからといって感染していないとは言い切れません。
検査可能時期とは、感染後に検査で陽性反応が出るようになるまでの期間のことで、「ウィンドウ期間」とも呼ばれます。感染直後は体内のウイルスや細菌の量が少なく、抗体もまだ産生されていないため、実際には感染していても検査結果が陰性になることがあります。感染の機会があった場合は、各疾患の検査可能時期を過ぎてから検査を受けることが重要です。
「陰性だったから大丈夫」と判断する前に、検査のタイミングが適切だったかどうかをご確認ください。タイミングについて不安な場合はお気軽にご相談ください。
淋菌(ナイセリア・ゴノレアエ)による細菌感染症です。感染後2〜7日という比較的短い潜伏期間を経て症状が現れるのが特徴です。男性では排尿時の強い痛みや膿性の分泌物が現れることが多く、女性は症状が軽いか無症状のことがあります。のどへの感染(咽頭淋菌)も増加しており、自覚症状がないままパートナーに感染させてしまうケースも見られます。うがい液による検査で咽頭への感染も確認できます。クラミジアとの重複感染も多く見られます。
抗菌薬(セフトリアキソンの点滴・注射など)で治療します。近年、薬剤耐性を持つ淋菌が増加しているため、自己判断による市販薬での対処は避け、必ず医療機関で適切な治療を受けることが重要です。パートナーと同時に治療を行うことが再感染防止のために不可欠です。
性感染症の中でもっとも頻度が高い感染症のひとつです。潜伏期間は1〜3週間で、感染していても症状がまったくない方が多いことが特徴です。そのため、気づかないまま感染を広げてしまうケースが少なくありません。男性では排尿時の軽い痛みや尿道からの分泌物、女性ではおりものの変化や不正出血が現れることがありますが、無症状のまま経過することも多くあります。放置すると男性では精巣上体炎、女性では骨盤内炎症性疾患を引き起こし、不妊の原因になることがあります。
アジスロマイシンの内服(1回のみ)またはドキシサイクリンの内服(1〜2週間)など、抗菌薬による治療が有効です。パートナーと同時に治療を受けることが重要です。
梅毒トレポネーマという細菌による感染症で、近年日本国内での感染者数が急増しており、特に若い世代での増加が問題となっています。感染後3〜6週間の潜伏期間を経て、第1期では感染部位にしこりや潰瘍が現れます。その後、第2期では全身に皮疹・発熱・倦怠感などが広がります。皮疹は手のひら・足の裏にも現れることがあり、「手のひらに赤い発疹が出た」という症状で受診される方もいます。放置すると神経・臓器へ深刻な影響を及ぼすことがあります。妊娠中の感染は胎児にも影響するため、妊娠を希望する方や妊娠中の方は特に注意が必要です。
ペニシリン系抗菌薬による治療が標準です。早期(第1期・第2期)であれば内服薬での治療が可能で、治癒を目指せます。病期が進んでいる場合は治療期間が長くなることがあります。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、血液・精液・膣分泌液などを介して感染するウイルス感染症です。感染後2〜4週間で発熱・倦怠感・リンパ節腫脹・皮疹などの症状が現れることがありますが、風邪と区別がつきにくいためHIV感染と気づかれないことが多くあります。その後は長い無症状期間が続きますが、未治療のまま進行すると免疫機能が著しく低下し、さまざまな感染症や悪性腫瘍を引き起こします。現在は抗HIV薬の進歩により、早期に治療を開始することで通常に近い生活を長期にわたって送ることが可能です。早期発見・早期治療が非常に重要です。当院ではHIV検査を行っており、感染が確認された場合は専門医療機関へご紹介します。
B型肝炎ウイルス(HBV)による感染症で、性的接触のほか血液を介しても感染します。感染後1〜6ヶ月の潜伏期間を経て、倦怠感・黄疸・食欲不振などの症状が現れることがありますが、無症状のまま慢性化するケースもあります。慢性B型肝炎は肝硬変・肝がんへ進行するリスクがあるため、早期発見と継続的な管理が重要です。なお、B型肝炎には予防ワクチンがあり、感染リスクのある方には接種をお勧めしています。
C型肝炎ウイルス(HCV)による感染症です。主に血液を介して感染しますが、性的接触による感染も報告されています。感染後しばらくは無症状のことが多く、気づかないまま慢性化するケースが少なくありません。慢性C型肝炎も肝硬変・肝がんへ進行するリスクがあります。近年、経口の抗ウイルス薬により高い確率で治癒を目指せるようになっています。血液検査で感染の有無を確認できます。
単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染症です。感染後2〜10日の潜伏期間を経て、性器や肛門周囲に水疱・潰瘍・びらんが現れます。初感染時は強い痛みや発熱・リンパ節の腫れを伴うこともあります。一度感染するとウイルスが神経節に潜伏し、疲労・ストレス・免疫力低下などをきっかけに繰り返し再発することがあります(再発性ヘルペス)。再発時は初感染より症状が軽いことが多いです。抗ウイルス薬により症状の期間を短縮したり、再発を抑制したりすることが可能です。
ヒトパピローマウイルス(HPV)の一部の型(主に6型・11型)が原因で、性器や肛門周囲にイボ状の病変が生じます。潜伏期間は3週間〜8ヶ月と幅があります。痛みやかゆみなどの自覚症状がないことも多く、気づかないうちに感染が広がることがあります。外用薬(イミキモドクリームなど)や外科的処置(液体窒素による冷凍凝固など)で治療します。なお、HPVにはさまざまな型があり、子宮頸がんの原因となる型も存在します。HPVワクチンについてもお気軽にご相談ください。
マイコプラズマ・ジェニタリウムやウレアプラズマは、性的接触によって感染する細菌です。潜伏期間は1〜3週間で、クラミジアと似た症状(排尿時の違和感・分泌物の増加など)を引き起こしますが、無症状のことも多くあります。放置すると、男性では尿道炎・精巣上体炎、女性では骨盤内炎症性疾患の原因となることがあります。近年、抗菌薬が効きにくい耐性菌が増加しており、適切な薬剤の選択が治療の鍵となります。尿やうがい液による検査が可能です。なお、保険適用とならない場合があります。
トリコモナス原虫による感染症です。潜伏期間は5〜28日とされています。男性は無症状のことが多い一方、感染していてもパートナーへの感染源となります。抗原虫薬による治療が有効です。治療後も再感染(ピンポン感染)が起こりやすいため、パートナーと同時に治療を受けることが不可欠です。当院では尿による検査に対応しています。
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