2026年6月04日
「風邪はもう治ったはずなのに、咳だけが止まらない」「夜になると咳がひどくて眠れない」——そんな経験はありませんか?
咳は本来、気道に入った異物を体外に排出するための、大切な防御反応です。かぜなどによる一時的なものが多い一方で、中には、注意が必要な病気が隠れていることもあります。
咳の続く期間で分類される3つのタイプ
医学的に、咳は続く期間によって以下の3つに分類されます。
| 分類 | 期間 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 急性咳嗽(きゅうせいがいそう) | 3週間未満 | 風邪・インフルエンザなどの感染症 |
| 遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう) | 3週間以上8週間未満 | 感染後の咳・気管支炎など |
| 慢性咳嗽(まんせいがいそう) | 8週間以上 | 喘息・アレルギー・逆流性食道炎など |
風邪による咳は通常1〜2週間で治まります。それ以上続く場合は、別の原因を考える必要があります。
咳の主な原因
1. 感染後咳嗽
風邪やインフルエンザなどのウイルス感染が治った後も、気道の粘膜が敏感になっていて咳だけが続く状態です。咳が続くときの原因として多く、数週間〜2ヶ月程度で自然に治まることが多いですが、症状がつらい場合は治療を受けることで楽になります。
2. 咳喘息
「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)はないものの、咳だけが続くタイプの喘息です。夜間〜早朝に咳が悪化する、冷たい空気・運動・会話で咳き込む、といった特徴があります。放置すると典型的な気管支喘息に進行することがあるため、適切な治療が必要です。
3. アトピー咳嗽・喉頭アレルギー
アレルギー体質の方に多く、のどのイガイガ感を伴う乾いた咳が特徴です。気管支拡張薬は効きにくく、抗アレルギー薬が有効なことが多いタイプです。
4. 副鼻腔気管支症候群(後鼻漏)
副鼻腔炎(蓄膿症)などで鼻水がのどに垂れ込み(後鼻漏)、咳の原因になります。湿った咳や、のどに何かが引っかかる感じを伴うことが多いです。
5. 胃食道逆流症(逆流性食道炎)
胃酸が食道に逆流することで咳が誘発されることがあります。食後・横になったとき・夜間に咳が悪化する、胸やけや酸っぱい味の逆流を感じる、といった特徴があります。
6. 気管支炎・肺炎
細菌感染による気管支炎や肺炎では、発熱や痰を伴う咳が続きます。高齢者や基礎疾患のある方では症状が軽くても進行することがあるため注意が必要です。
7. 結核・百日咳などの感染症
近年も国内で報告されている病気です。結核は2週間以上続く咳・微熱・体重減少・寝汗などが特徴です。百日咳は発作的に続く咳が特徴的で、大人にも感染します。
8. 肺がん・その他の重大な疾患
頻度は高くありませんが、咳の背景に肺がんなどの重大な病気が隠れていることもあります。喫煙歴のある方、血痰が出る方、体重減少を伴う方は特に注意が必要です。
かぜの後に咳が続く(感染後咳嗽)
咳が続くときの原因として、とても多いのが「感染後咳嗽(かんせんごがいそう)」です。かぜやインフルエンザなどの後、熱やのどの痛みは治ったのに、咳だけが数週間続く状態です。
これは、かぜによって気道(空気の通り道)が敏感になり、ちょっとした刺激で咳が出やすくなっているために起こります。多くは、時間とともに自然におさまっていきます。ただし、咳がとてもつらい場合や、なかなか治まらない場合、ほかの症状を伴う場合は、別の原因がないかを確認するためにも、受診しましょう。
咳ぜんそく・ぜんそく
「ゼーゼーはしないのに、咳だけが続く」という場合、咳ぜんそくのことがあります。とくに、夜間や早朝に咳が出やすい、冷たい空気や会話・運動で咳が出る、といった特徴があります。アレルギーが関わることも多く、放置すると、一部はぜんそくに移行することがあるため、適切な対応が大切です。
ぜんそくでは、咳に加えて、ゼーゼー・ヒューヒューという音(喘鳴)や、息苦しさを伴うことがあります。これらは、気道の炎症を抑える吸入の薬などで治療します。咳の原因として、よくみられるものの一つです。
アトピー咳嗽
のどがイガイガ・むずむずするような感じを伴い、乾いた咳が続くものに、アトピー咳嗽があります。アレルギーが関わり、咳ぜんそくと似ていますが、治療への反応が異なることがあります。抗ヒスタミン薬などで対応します。咳ぜんそくとの区別が必要なこともあり、症状や経過をみて判断します。
鼻水がのどに流れて起こる咳(後鼻漏)
鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)などで、鼻水がのどのほうへ流れ落ちること(後鼻漏)によって、咳が起こることがあります。とくに、横になったときや、朝方に咳が出やすい、のどに何か流れる感じがする、鼻づまりや鼻水を伴う、といった場合に考えます。
この場合は、原因となっている鼻の症状(鼻炎・副鼻腔炎など)を治療することが、咳の改善につながります。
逆流性食道炎による咳
胃酸が食道に逆流する逆流性食道炎が、咳の原因になることもあります。胃酸の刺激で、咳が起こります。とくに、食後や横になったときに咳や胸やけがする、酸っぱいものが上がってくる、といった場合に考えます。
この場合は、胃酸を抑える薬などで、逆流性食道炎を治療することで、咳の改善が期待できます。咳の背景に、胃の症状が隠れていることもあります。
気管支炎・肺炎
気道や肺に炎症・感染が起こる、気管支炎や肺炎でも、咳が出ます。発熱や、色のついた痰、息切れ、胸の症状などを伴うことがあります。肺炎は、レントゲンやCTで肺の状態を確認して診断し、治療を行います。
とくに高齢の方の肺炎は、症状がはっきりせず、なんとなく元気がない、食欲がない、といった形で現れることもあり、注意が必要です。発熱や息切れを伴う咳、痰の多い咳が続く場合は、受診しましょう。
結核
咳が続くときに、注意しておきたい病気の一つが、結核です。結核は、2週間以上続く咳や痰のほか、微熱、寝汗、体重の減少、強いだるさ、血の混じった痰(血痰)などがみられることがあります。
結核は、人にうつることがある病気でもあるため、早めに見つけて対応することが大切です。2週間以上、咳が続く場合や、これらの症状を伴う場合は、結核の可能性も考えて、受診することがすすめられます。
肺がん
咳の原因として、肺がんが隠れていることもあります。肺がんは、早い段階ではほとんど症状が出ませんが、進行すると、咳、血の混じった痰(血痰)、息切れ、体重の減少、胸の痛みなどがみられることがあります。
とくに、たばこを吸う方や、吸っていた方、年齢が高い方では、注意が必要です。咳や、血痰、体重減少などがある場合は、レントゲンやCTで肺の状態を調べることが大切です。健診の胸部レントゲンで異常を指摘された場合も、放置せず精密検査を受けましょう。
慢性閉塞性肺疾患(COPD・たばこの影響)
長年たばこを吸ってきた方に多いのが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。気道や肺が傷つき、慢性的な咳や痰、体を動かしたときの息切れが、少しずつ進んでいきます。「年のせい」「たばこのせい」と見過ごされがちですが、進行する病気です。
COPDでは、禁煙が最も大切な対策です。咳や痰、息切れがあり、喫煙の習慣がある(あった)方は、一度ご相談ください。早めに気づいて対応することが大切です。
百日咳
百日咳は、発作のように激しく続く咳が特徴の感染症です。息を吸うときにヒューという音がすることもあります。子どもの病気というイメージがありますが、大人もかかり、咳が続くことがあります。周りにうつすこともあるため、激しい咳が続く場合は、受診してご相談ください。
薬による咳(血圧の薬など)
一部の血圧の薬(降圧薬の一種)では、副作用として、乾いた咳が出ることがあります。薬を飲み始めてから咳が出るようになった場合は、この可能性も考えます。
ただし、これらの薬は、必要があって処方されているものです。自己判断で中止せず、処方している医師に相談してください。薬を変えることで、咳が改善することがあります。
心臓の病気による咳
心臓の働きが低下する心不全でも、咳が出ることがあります。とくに、夜間や横になったときの咳、息切れ、足のむくみなどを伴う場合に考えます。心臓が原因の咳は、心臓の治療が必要です。息切れやむくみを伴う咳がある場合は、受診しましょう。
こんな症状があればすぐに受診を
以下のような症状がある場合、自己判断で様子を見ずに早めの受診をおすすめします。
- 咳が2週間以上続いている
- 血痰(痰に血が混じる)が出る
- 38度以上の発熱を伴う
- 息苦しさ・呼吸困難がある
- 胸の痛みを伴う
- 体重が意図せず減少している
- 寝汗をかくようになった
- 夜間や早朝に咳がひどくなる
- 喫煙歴があり咳が続いている
これらは結核・肺炎・肺がんなどの可能性を示すサインのことがあります。
咳の原因を調べる検査の流れ
問診・診察
いつから咳が始まったか、どんなタイミングで悪化するか、痰の有無、発熱や息苦しさの有無、既往歴・喫煙歴・アレルギー歴などを詳しくうかがいます。聴診で呼吸音を確認することも重要です。
胸部レントゲン、CT検査
肺炎・結核・気胸・肺がんなどの基本的な評価に用います。咳が続く場合、まず行われることが多い検査です。
血液検査
炎症の程度(白血球数・CRP)、アレルギーの有無、感染症の指標などを調べます。
胸部CT検査について
レントゲンでは見えにくい小さな病変を詳しく調べることができます。
- レントゲンで異常影が指摘されたとき
- 結核や肺がんが疑われるとき
- 咳の原因が特定できないとき
これらの場合、胸部CTがより詳細な情報をもたらします。CTでは肺の細かい構造・小さな結節・気管支の状態・肺の血管などを立体的に評価でき、レントゲンでは判別が難しい病気の早期発見にも有用です。
当院では、院内でCT検査が可能です。そのため、咳の原因をくわしく調べる必要があるときも、その日のうちに胸部CTで確認し、必要な対応を判断できます。
呼吸機能検査(スパイロメトリー)
息を大きく吸って、思いきり吐き出すことで、肺の働きや、気道の状態を調べる検査です。咳の原因として多い、ぜんそくやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断に、とくに役立ちます。息を吐く力や、気道が狭くなっていないかなどを確認でき、痛みはなく、短時間で行えます。咳では、原因を見きわめるうえで重要な検査の一つです。
その他の検査
必要に応じて、痰の検査(細菌や結核菌の有無など)、アレルギー検査などを追加します。
原因に応じた咳の治療
咳の治療は、原因に応じて行います。原因ごとの主な治療を、簡単にまとめます。
- かぜの後の咳(感染後咳嗽):多くは自然に軽快します。つらい場合は、咳をやわらげる対症療法を行います。
- 咳ぜんそく・ぜんそく:気道の炎症を抑える吸入ステロイドが治療の中心です。必要に応じて、気管支を広げる薬も使います。症状がないときも治療を続けることが大切です。
- アトピー咳嗽:抗ヒスタミン薬などで対応します。
- 後鼻漏(鼻炎・副鼻腔炎):原因となる鼻の病気を治療します(抗ヒスタミン薬、点鼻薬、副鼻腔炎の治療など)。
- 逆流性食道炎:胃酸を抑える薬と、生活習慣の見直しで治療します。
- 気管支炎・肺炎:細菌が原因の場合は抗菌薬を使います。対症療法も行い、重い肺炎では入院が必要なこともあります。
- 結核:複数の抗結核薬を、一定期間しっかり使います。専門的な対応が必要です。
- 肺がん:くわしい検査のうえ、手術・薬物療法・放射線治療などを、専門の医療機関で行います。
- COPD(慢性閉塞性肺疾患):禁煙が最も大切で、吸入薬による治療を行います。
- 百日咳:抗菌薬を使います。
- 薬による咳(血圧の薬など):原因となる薬の変更を、処方している医師と相談します。自己判断で中止しないでください。
- 心臓の病気(心不全)による咳:心臓の治療(利尿薬など)を行います。
このように、咳の治療は「原因を見きわめて、それに応じた対応をする」ことが基本です。だからこそ、咳では、まず原因を調べることが大切です。
治療しても治らない慢性の咳とリフヌアについて
咳の原因を調べ、その原因に応じた治療を行っても、慢性の咳がなかなか改善しないことがあります。原因がはっきりしない、あるいは治療してもよくならない、長く続く咳を「難治性の慢性咳嗽(まんせいがいそう)」などと呼びます。
このような咳では、咳の反射(咳を起こす神経の働き)が過敏になっていると考えられています。近年、こうした難治性の慢性咳嗽に対して、「リフヌア(一般名:ゲーファピキサント)」という飲み薬が使えるようになりました。この薬は、過敏になった咳の反射を抑えることで、咳をやわらげることを目指すものです。
注意したい副作用——味覚障害
リフヌアで、とくに注意したいのが、味覚に関する副作用です。この薬を使うと、「味を感じにくい」「味が変わる」「食べ物の味がしない」といった味覚の異常(味覚障害)が、比較的多くみられます。これは、この薬の作用の仕組みに関係して起こるものです。多くは、薬を中止すると回復するとされていますが、味の変化が気になる場合や、食事に影響が出る場合は、医師に相談してください。
リフヌアは、あくまで、原因を調べ、原因への治療を行ったうえで、それでも改善しない慢性の咳に対して検討する薬です。使うかどうかは、咳の状態や、これまでの治療の経過をふまえて判断します。咳でお困りの場合は、ご相談ください。
ご自宅でできる咳のセルフケア
受診までの間や、軽症の場合に試せるセルフケアをご紹介します。ただし、症状が改善しない・悪化する場合は必ず医療機関を受診してください。
部屋の湿度を保つ 乾燥はのどや気道の粘膜を刺激し、咳を悪化させます。加湿器の使用や濡れタオルを干すなどで、湿度50〜60%程度を保つようにしましょう。
水分をこまめにとる 水分補給は痰を出しやすくし、のどの乾燥を防ぎます。常温の水や白湯がおすすめです。
刺激を避ける タバコの煙・冷たい空気・強い香り・ホコリなどは咳を誘発します。喫煙者の方は、これを機に禁煙を検討するのも一つです。
寝るときは少し上半身を高く 逆流性食道炎による咳や、後鼻漏による咳がある場合、上半身をやや高くして眠ると楽になることがあります。
マスクを着用する 乾燥対策としても、感染拡大予防としてもマスクは有効です。
かぜや咳に抗生物質は効くのか
「咳が出るから抗生物質(抗菌薬)を飲みたい」と思う方は少なくありませんが、かぜや多くの咳に、抗生物質は効きません。
かぜの原因の多くはウイルスです。抗生物質は細菌をやっつける薬で、ウイルスには効果がありません。そのため、ウイルスによるかぜや咳に抗生物質を飲んでも、治りが早くなるわけではありません。むしろ、不要な抗生物質の使用は、薬が効きにくい菌(耐性菌)を生んだり、下痢などの副作用を起こしたりする原因にもなります。
抗生物質が役立つのは、細菌による感染症(細菌性の肺炎など)が疑われる場合です。それを見きわめるのは医師の役割であり、必要なときにだけ使うことが大切です。「念のため抗生物質を」という考え方は、近年は見直されています。
咳止めの使いすぎにも注意
咳は、のどや気道に入った異物やたんを外に出そうとする、体の防御反応でもあります。そのため、原因を考えずにむやみに咳を止めるのがよいとは限りません。たんを伴う咳を無理に止めると、たんが出せずに苦しくなることもあります。咳の原因に応じた対応が大切です。咳や、たんがからむ咳が続く場合は、自己判断で市販薬を続けるより、一度ご相談ください。
子どもの咳
子どもも、かぜの後の咳や、ぜんそく・アレルギー、副鼻腔炎による後鼻漏など、さまざまな原因で咳が続くことがあります。百日咳や、気管支炎、まれに異物(小さなものを飲み込む・吸い込む)が原因のこともあります。
子どもの咳が続く、夜眠れないほど咳がひどい、ゼーゼーする、息苦しそう、顔色が悪い、といった場合は受診してください。なお、咳によいとされるはちみつは、1歳未満の赤ちゃんには与えてはいけません(乳児ボツリヌス症の危険があるため)。この点は必ず守りましょう。
高齢の方の咳
高齢の方の咳では、肺炎、心不全、COPD、肺がん、飲み込みの機能の低下による誤嚥(食べ物や唾液が気道に入る)など、さまざまな原因を考えます。高齢の方は、症状がはっきりしないことがあり、なんとなく元気がない、食欲がない、といった変化が、病気のサインのこともあります。
咳や、痰、息切れ、発熱、むくみ、体重減少などを伴う場合は、放置せず受診しましょう。周りの方も、ふだんと様子が違わないか、気を配ることが大切です。
咳を人にうつさないために
咳の原因が感染症の場合、咳やくしゃみで、人にうつることがあります。咳が続くときは、周りへの配慮も大切です。
- 咳やくしゃみが出るときは、マスクをする
- マスクがないときは、ティッシュや袖の内側で口や鼻をおおう
- 咳やくしゃみの後は、手を洗う
- 症状が強いときは、無理をせず休む
とくに、結核や百日咳など、人にうつる病気のこともあるため、咳は、早めに原因を確認することが、自分のためにも周りのためにも大切です。
受診のときに伝えるとよいこと
咳で受診する際は、次の点を伝えると、原因を調べるのに役立ちます。
- いつから咳が続いているか
- 乾いた咳か、痰を伴う咳か(痰の色、血が混じるか)
- 咳が出やすい時間帯(夜間・早朝など)や、きっかけ(冷気・運動・食後・横になったときなど)
- 伴う症状(発熱・息切れ・胸やけ・鼻水・体重減少・寝汗など)
- たばこの習慣、飲んでいる薬、周りに同じ症状の人がいるか
咳のセルフチェック(受診の目安)
次のような場合は、受診をおすすめします。
- 咳が2週間以上続いている
- 血の混じった痰(血痰)が出る
- 発熱を伴う、または微熱が続く
- 息切れ・息苦しさを伴う
- 体重が減ってきた、寝汗をかく、強いだるさがある
- 夜眠れないほど咳がつらい
- 胸の痛みを伴う
これらは、放置できない病気のサインのことがあります。当てはまる場合は、早めに受診してください。
「ただの風邪」と思わずに早めの相談を
咳は誰もが経験するありふれた症状ですが、咳の背景にはさまざまな病気が隠れています。
- 1〜2週間で治る咳→風邪の可能性が高い
- 2〜3週間以上続く咳→一度医療機関で相談を
- 血痰・発熱・体重減少を伴う咳→早めの受診を
特に喫煙歴のある方や、過去に呼吸器の病気を指摘されたことがある方は、咳を放置せず、画像検査を含めた評価を受けることをおすすめします。
咳を悪化させる要因を避ける
咳が続くときは、咳を悪化させる要因を避けることも大切です。たばこの煙(自分が吸うことも、周りの煙も)、乾燥した空気、冷たい空気、ほこりや強いにおい、飲酒などは、咳を悪化させることがあります。
とくに、たばこは咳の大きな要因です。咳があるときは、禁煙が大切です。部屋を適度に加湿する、マスクで冷気やほこりから気道を守る、といった工夫も役立ちます。
乾いた咳・痰のからむ咳
咳には、痰を伴わない「乾いた咳(空咳)」と、痰のからむ「湿った咳」があります。どちらのタイプかも、原因を考える手がかりになります。
乾いた咳は、咳ぜんそくやアトピー咳嗽、感染後咳嗽、逆流性食道炎、一部の薬による咳などでみられることがあります。一方、痰のからむ咳は、気管支炎や肺炎、副鼻腔炎による後鼻漏、COPDなどでみられることがあります。痰の色(透明・黄色・緑色など)や、血が混じるかどうかも、大切な情報です。受診の際に、咳のタイプや痰の様子を伝えると、診断に役立ちます。
感染後咳嗽は、どのくらいで治るのか
かぜの後の咳(感染後咳嗽)は、多くの場合、数週間のうちに自然におさまっていきます。かぜで敏感になった気道が、時間とともに落ち着いてくるためです。
ただし、咳がとてもつらい場合や、8週間以上と長く続く場合、血痰や発熱など、ほかの症状を伴う場合は、感染後咳嗽ではなく、別の原因が隠れていることもあります。「かぜの後だから」と決めつけず、続く場合や気になる症状があるときは、受診して確認することが大切です。
咳が続くときの生活の工夫
咳が続いてつらいときは、次のような工夫も役立ちます。
- こまめに水分をとって、のどをうるおす
- 部屋を適度に加湿する(乾燥は咳を悪化させます)
- たばこの煙や、ほこり、強いにおいを避ける
- 冷たい空気を吸い込まないよう、マスクをする
- 睡眠を十分にとり、体を休める
これらは、あくまで症状をやわらげるための工夫です。原因そのものへの対応が大切なので、咳は、受診して原因を確認しましょう。
咳と上手に向き合うために
咳は、日常でよくある症状で、多くはかぜなどによる一時的なものです。しかし、その背景には、咳ぜんそくや、逆流性食道炎、後鼻漏など、治療で楽になるものから、結核・肺がん・COPDのように、早く見つけて対応すべき病気まで、さまざまな原因が隠れていることがあります。
大切なのは、「ただの咳」「かぜの名残」と自己判断で放置しないことです。とくに、血痰が出る、発熱・息切れ・体重減少を伴う、咳が続く・くり返すといった場合は、早めに受診してください。原因をはっきりさせることで、適切な治療につながり、つらい咳から早く解放されることが期待できます。咳でお困りのときは、咳の程度にかかわらず、お気軽にご相談ください。
当院での咳の診療について
新高円寺クリニック(東京都杉並区・新高円寺駅徒歩2分)では、咳の診療に対応しています。問診・聴診・胸部レントゲン・血液検査に加え、必要に応じて院内のCT検査や呼吸機能検査で、くわしい評価を行うことが可能です。
検査から結果の説明まで、原則として同じ日に対応しています。「咳が出て心配」「咳がつらい」「咳が続いている」「健診で肺に影を指摘された」「肺炎や結核が心配」といった方は、咳の程度にかかわらず、お気軽にご相談ください。より高度な検査や専門的な治療が必要と判断した場合は、適切な医療機関へおつなぎします。
よくある質問
Q. 咳は何日くらい続いたら受診すべきですか? A. 血痰・発熱・息切れ・体重減少などを伴う場合は、期間にかかわらず早めに受診してください。また、咳が2週間以上続く場合や、咳がつらい・気になるという場合も、咳の程度にかかわらず、一度ご相談ください。
Q. 市販の咳止めで様子を見てもよいですか? A. 一時的に使うこともありますが、咳は異物を出す防御反応でもあり、痰を伴う咳を無理に止めるのはよくないことがあります。咳や、痰・血痰・ほかの症状を伴う場合は、市販薬を続けず受診しましょう。
Q. かぜの後、咳だけが2〜3週間続いています。大丈夫ですか? A. かぜの後に気道が敏感になって咳が続く「感染後咳嗽」のことが多く、自然におさまることが多いです。ただし、つらい場合や、ほかの症状を伴う場合、さらに続く場合は、受診して確認しましょう。
Q. 夜になると咳が出ます。何が考えられますか? A. 夜間や早朝の咳は、咳ぜんそくや、後鼻漏、逆流性食道炎などでみられることがあります。原因によって対応が異なるため、続く場合はご相談ください。
Q. たばこをやめれば、咳は治りますか? A. 喫煙による咳やCOPDでは、禁煙が最も大切で、改善が期待できます。ただし、ほかの原因が隠れていることもあるため、咳は一度調べておくと安心です。
Q. 咳ぜんそくは、放っておくとどうなりますか? A. 咳ぜんそくを放置すると、一部はぜんそくに移行することがあります。適切な治療で、咳をおさえ、移行を防ぐことが大切です。
Q. 痰に血が混じっていました。受診すべきですか? A. 血の混じった痰(血痰)は、結核や肺がんなど、注意すべき病気のサインのことがあります。放置せず、受診してください。
Q. 家族に咳の人がいます。うつりますか? A. 原因が感染症の場合はうつることがあります。とくに結核や百日咳では注意が必要です。咳は、早めに原因を確認することが大切です。
Q. 咳のしすぎで、胸やお腹が痛くなりました。大丈夫ですか? A. 激しい咳が続くと、筋肉痛のような痛みが出ることがあります。多くは心配いりませんが、強い胸の痛みや、息苦しさを伴う場合、痛みが続く場合は受診してください。
Q. はちみつは咳によいと聞きました。子どもに使ってよいですか? A. のどをうるおす効果が期待されますが、1歳未満の赤ちゃんには絶対に与えないでください(乳児ボツリヌス症の危険があります)。1歳以上であれば使えますが、咳が続く場合は受診しましょう。
Q. 血圧の薬を飲み始めてから咳が出ます。薬のせいですか? A. 一部の血圧の薬では、副作用で乾いた咳が出ることがあります。ただし、自己判断で中止せず、処方している医師に相談してください。薬を変えることで改善することがあります。
Q. 健診の胸部レントゲンで「影」を指摘されました。どうすればよいですか? A. 肺の病気の可能性を確認するため、CTなどで詳しく調べることをおすすめします。放置せず、結果をお持ちのうえ、早めにご相談ください。
まとめ
- 気になる咳・つらい咳・続く咳は一度受診を検討(2週間以上続く場合はとくに)
- 咳の原因は感染後咳嗽・咳喘息・後鼻漏・逆流性食道炎など多岐にわたる
- 血痰・発熱・体重減少を伴う咳は早めの受診を
- 当院ではレントゲン・CT検査・呼吸機能検査で咳の原因を詳しく調べることができます
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
診療科目:内科・外科・整形外科・消化器科・呼吸器科・アレルギー科・性感染症内科・往診・在宅医療 所在地:〒166-0003 東京都杉並区高円寺南2丁目11−3 麻吉ビル2F(新高円寺駅2番出口より徒歩2分) 電話:03-5377-5388 ご予約:WEB予約・LINEからも承っています